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尺然とせず(お笑い系愚痴)

 思えば、それはスタートからなにかチグハグだった。
 午前3時に目が覚めた。これは格段気負い込んで早起きしたわけではない。30歳代後半から早暁から目が覚めるようになった。冬でも5時、夏になれば4時には遅くとも目が覚める。30分ぐらい布団の中で寝返りをうちながら過ぎ来し方や昨夜の痛飲の原因などに思いを巡らすが、それも飽きてそろそろ起き出す。夜更かしの家内が昨夜のうちにセットしていた炊飯器のスイッチを入れ(タイマー付のがあるのに家内ははなぜか旧式の炊飯器を使うのをやめない、これも不思議だが今は言及しない、世の中にはままこういう理不尽があると諦めることを学んだ)、机の前の安楽椅子にどっぷりと腰をおろして、読み差しで開かれたまま伏せてある何冊かの本の一冊を手にするのが日課になっている。時には起きるには起きたが前夜の酒が残っていて、何もせずただボーと過ごすこともあるが、家内や息子が起きてくる前のおよそ2時間は小生のもっとも貴重とする時間だ。さて午前6時を回ると家内が、そして10分頃になると息子が起き出してきて、これまた数年前日課になっている朝6時半のラジオ体操を息子と一緒にする。…だから、夏の朝午前3時頃に目が覚めるのは小生にとって実に自然なことなのだ。
 …午前3時に目が覚めたので、洗顔や用便をすませ、昨夜酔っぱらいながらも車に放り込んでおいた釣り道具一式をもう一度確認してハンドルを握ったのが、午前3時20分頃。現地に着いてから食べる朝飯と、お茶と非常食の菓子パンを途中のコンビニで買って、矢筈トンネルをくぐったのが3時45分。上村の役場前を通過しようとしたら、赤い警邏燈をぐるぐる回して、警官が二人、「止まれ」のサイン。
 しまった! 昨夜は業界の会合があってつきあい酒を2時間ばかり、会合は8時にはお開きになったものの、この種の酒は妙な疲労と中途半端な酔いだけが残るので、いつも一人になって飲み直しすることにしている。昨夜も、年に数回しか顔を出さないが名前だけは覚えてくれている気の置けない居酒屋に立ち寄ってちょっと一杯。翌日は以前から計画していた釣行だが、天気予報もなにやら崩れる気配で、近場にするか山奥に入るか、計画も立てにくいなあと思いながら、ビール1本チビリチビリ。その居酒屋で顔なじみになったW氏やI氏がたまたまそれぞれ夫婦同伴で来合わせていたので、ちょっと話し込んだ。気がついたら10時を回っていた。急いで代行を頼んで帰宅し、久米宏のニュースステーションを見て12時前には就寝したが、逆に言えば10時過ぎまで飲んでいたことになる。8時間以上経っていない。そういえば少し息が酒臭いし、頭もボーとしている。しかし朝の4時に取締りをするなんて、警察もよっぽど経営が苦しいのか、と、自身の酒気帯び運転は棚に上げて、心の中で一人憤慨しながら、運転席の窓を下げた。
 すると、あの「釣りバカ日誌」の映画にスーさんの運転手役で出てくる役者にそっくりのとぼけた顔の巡査が免許証をみせろと、ちょっとへりくだった物言いで聞いてきた。官憲ならば官憲らしく、もっと傲慢に、憎憎しくやってくれれば、こちらももっと横柄になれるのだが、小生もちょっと腰砕けで「大変ですねえ〜」などと心にもない阿りの言葉を吐いてしまった。クソッ! つづいてもう一人の巡査が、どこに勤めているかだの、どこに行くところだのと、これまた慇懃無礼に聞いてきた。新聞社のロゴの入った取材用の腕章を見せて、ベテランの取材記者よろしく「なにかあったんですか」などと空とぼけて尋ねると、飯田で強盗事件があって検問を敷いているらしい。どうやら酔っぱらい運転の取締りじゃなかった!
 安堵の表情をおくびにも出さず、久しぶりの休暇をもらって北俣まで釣りに行くと言うと、今度は「運転手」氏が、北俣のどこだという。今、なにやら工事が入っていて便ヶ島から西沢渡まで工事用の車が行ったり来たりだと言う。「本当か? あんなところに林道つくってどうするんだよ」と心の中で言いながら、聖岳のアプローチが40分短くなるメリットと、有象無象が自動車を駆ってやってきて釣り場が荒らされるデメリットを考えると林道なんてとんでもない…と、車を走らせる。
 5時20分、目的地到着、車をデポ。食欲がないので、朝食もザックに詰め込んで歩き出す。ほぼ2年ぶりのポイントへのアプローチだが、ずいぶん変わった(ポイントを有象無象から守るために用心のため、ここらあたりから表現が曖昧になるのを、読者よ、許せ!)。今日は山蛭にも食いつかれず、またおろしたてのシューズの具合もいい。あのウェーダという魚屋のおじさんが着るような胸まである巨大長靴プラス合羽ズボン一体型は渓流を釣り上がるだけならいいが、山道を歩くには向かない。今度新調したアイテムは、あの合羽ズボン部分と長靴部分が別々になっており、さらに長靴ではなく普通のトレッキング型で至極歩きやすいのだ、エッヘン(意味不明の咳)。それにしても、中部電力が上流でどんどん水を取るから(揚水して発電でもしているのか)、どんな山奥に入っても取水している堰堤下の渓流は水がちょろちょろで、水が腐っている。当然のことながら難しく言えば本来あった自然の生態系が変わってくる。そして簡単に言えばイワナが棲めない。こんな企業が「自然に優しいエネルギー」なんて言ったて俺(ここだけは野生児っぽくオレという一人称を使いたい)は信じないぞ…と、呟きつつ歩き始めて約1時間、ようやくポイントに到着。
 ふう、まだ釣れない。10分経った。
 そう、まだ釣れない。だいたいここ数年最低30回山(渓流)に入っていたのが、昨年は諸々の理由でわずか2回しか竿を振れなかった。だからというわけではないが、今年小手調べで入った沢では2時間で1匹(他、リリースサイズ数匹)しか釣れなかった。腕の性ではない、魚がいないのだ、解禁ならまだしも、5月の連休あけに近場の沢に魚がいようはずがないではないか…と思おうとした。その不安と疑念、不信がないまぜになって、無理矢理こじつけたのが、今回の釣行なのだ。他人にとっておや、自身に理由ありの釣行。それが15分経っても釣れない…。ここだって人が入らないわけじゃない。みんな釣られたのサ。小生のアームが落ちたわけじゃないサ、との心の中の弁明も虚しいな。と、その時、あたりがあった。釣れたのは20センチ強のイワナ。そうだよな、いれば釣れるんだよ、と一瞬強気。しかし、そのあと1匹釣り落とす。これはあたりがわからなくて、なにげなく竿をあげたらくっついて来た奴。まあ、こんなこともあるよな。しかし、あたりを判別できない釣りがその後も続く。
 約3時間、何とか7匹あげた(3匹リリース)。中には30センチを越えるいわゆる尺イワナもあったが、それもあたりを判然とは識別出来なかった。釣り落としはしなかったものの、釈然としない尺イワナであった。天気予報が珍しくあたって、昼前になってポツポツと雨が落ちてきた。帰宅して魚籠からイワナを取りだして列べてみたが、この尺イワナもどうも貧弱で、尺然とせず…。お後がよろしいようで。
(見直しせず、誤字脱字ご容赦あれ)  2001.05.30

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